老人と宇宙(そら)
ジョン・スコルジー75歳以上の老人だけを集めて、コロニー防衛軍を作っているという、かなり突っ走った設定の話。
相当なキワモノかと思いながら読み始めたけれど、それなりにしっかりした話。作者は、ブログでデビューしたらしい。
老人と宇宙という語感が、「老人と海」を彷彿とさせるけれど、あちらは、The old man and the sea、この本は、Old man's Warなので、原作にはそういう意図はない。でも、日本語の語呂としては、「老人と宇宙」の方が「老人の戦争」、よりはよっぽど良い感じ。
読みやすいし、読後感も爽やかなので読んでひどくガッカリすることはないかと。

話の流れは、ハイラインの『宇宙の戦士』を読んだり映画『スターシップ・トルーパーズ」を観た人には判りやすい。まんま、あんな感じ。
重傷を負って死に掛けて回収されて、リベンジするのなんかもそのまま。
でも、若返り、というか、新しい体を手に入れる部分が、ちょっとした違いか。
この若返りのシステムは面白い。脳の活動をモニターして、体から体に転送することで、精神の転送もできる、という設定になっている。
一時的に2つの肉体に同居していたことから、脳はある種の受容期間であって、精神そのものではない、という設定と理解しました。でも、そうすると、既存の肉体に、新たに作った?精神を入れ込むというゴースト部隊の存在は、矛盾をはらんでしまう。
精神を新たに作るには、精神が脳内の電気的なパターンでしかないという前提が必要になる気がする。
その他の感想。
若返った老人たちが、セックスに狂っているところは、ちょっと引いてしまいまったけれど、若さを取り戻した人間の反応としては、あんなものかも? こればっかりは、実際に試せないので、なんとも言えないけれど(笑)
殺伐とした異星人との関わりは、この話の背景としては適切だけれど、なんとも夢が無い。なんか、このままだと人類は滅びの道を歩むしかない気が。
宇宙人は、いろいろバリエーションがあって面白い。基本的に、どれも戯画的に見えるのは、自分達を基準にした「理性」を求めてしまうからなのか。まあ、狙って戯画にしているのだろうけれど。
それでもコンスー族はちょっと気になる。一体、彼らが何を考えているのか、壮大な計画を明らかにして欲しいなぁ。