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宇宙をプログラムする宇宙  

2007年12月21日 ()
読んだ本。 * 本・雑誌
宇宙をプログラムする宇宙 セス・ロイド

『宇宙を復号(デコード)する』と同様に、情報理論と量子力学の世界から宇宙のありようにアプローチした本。
この本では、タイトルの通りに宇宙自体を巨大な量子計算機とみなして考える世界観を示している。

情報理論を中心にした『宇宙を復号する』よりも、量子論関係の話が詳しく書かれているので、そちら方面の説明が物足りなかった私としては、面白く読めた。
光の粒子と波動性の説明も、こちらのほうがわかりやすかったし。
やはり、一つのテーマでも、複数の本を読んでみると面白い。

タイトルからして、量子コンピュータに関する話も当然出てくるのだけれど、著者がこの方面で活動している現役の科学者なだけあり、力が入っている。
以前のエントリ(グーグルの量子コンピュータ?)で触れた「D-Wave」の量子コンピュータの理論的な裏づけについても、この本で触れられている。なるほど。超伝導状態なら、量子重ね合わせ(からみあい)は維持されるわけだ。確かに、超伝導=電気抵抗がないということは、周囲との相互作用が無いわけだから、観測されず、状態が決定されることもない、か。
ところで、その量子コンピュータのデモについてはその後噂が流れてこないが、どうなったんだろうか。。。

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?
画像が横向きだけれど、中身は普通に縦書き。

量子コンピュータの話題は、夢を語るだけの本も多いのだけれど、現場で研究している科学者らしい、現実に即した発言もあり、良心的。
ムーアの法則に従ったとしても、量子コンピュータが現在のコンピュータを追い抜くには40年はかかるだろう、なんていう記述は、単なる謙遜なのかもしれなけれど、最先端の現場で謙虚に働いている人間ならではの言葉だろう。

しかしこの本、まじめな話題を書いていたかと思うと、すごく突飛な話を大真面目に書いてあるところに、著者流のユーモアが混ざられていて、笑わせてもくれるe=mc^2分のエネルギーを持つ、超高温になる究極のラップトップって・・・

なかなか面白い本なんだけれど、残念なのは誤植と思しき記述が、肝心の量子力学的な計算を説明する部分にあること。
どう読んでも式と文章が矛盾した部分があるので、読者を混乱させる元(全体の論理には影響をあたえない、小さな部分だけれど)。こういうところだけは、しっかりチェックして欲しいなぁ。
(私の理解が間違ってるだけかも?)

量子コンピュータ周りは、もう少し頭を整理したい部分もあるので、他にも何か読んでみようと思う。

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[2007.12.21(Fri) 20:43] 科学Trackback(0) | Comments(0)
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