TDKと太陽誘電、コスト半減の太陽電池参入・シリコン使わず(日経ネット)休み中のニュース。
TDKと太陽誘電はそれぞれ太陽電池に参入する。有機色素を原料に使う新方式を採用、2010年の製品化を目指す。シリコンを原料とする現行方式に比べ発電効率は低いが、材料費が安く製造コストを半分以下に抑えられるとみている。
太陽電池というと、普通はシリコンを使った製品が多いのだけれど、紹介されているのはシリコンを使わずに色素が光を吸収する際に電気を発生させる性質を利用して発電する「色素増感型」と呼ばれる方式の電池。
なぜシリコンを使わないのが良いかというと、シリコンのコストが高いから。シリコンの元になる珪素(Si)自体は地球を構成する元素の中でも豊富な元素の一つだけれど、半導体や太陽電池に利用可能な結晶を作るのには、それなりにコストがかかる。
シリコンのコストを抑えるために、シリコンの結晶→シリコンの薄膜というように、技術開発が進んできているけれど、シリコン以外を原料にすれば、そんな問題は全て解決、というのが冒頭の記事。
最近、太陽電池の業界は色々と動きがあり、面白い。
シリコンを使った方式では、シャープをはじめとする日本のメーカーが世界の大きなシェア(50%弱)を握っている。一方、シリコンを使わない太陽電池の開発に、既存のメーカーに加えてベンチャーが参加してきている。
昨年末には、Googleのラリー・ページやサーゲイ・ブリンらも出資して話題になった非シリコン薄膜太陽電池のナノソーラーが、初出荷を行っている。こちらは、銅とインジウムの化合物を"印刷"するようにアルミの膜に貼り付けて製造することができるので、大規模な真空設備等が必要なシリコン結晶型に比べ、製造コストが安い。
発電効率は、シリコン結晶型に比べると低いけれど、その分を補ってあまりある低コストと、投資したエネルギーの回収の早さ=EPTの低さが魅力。
(EPTに関しては、末尾に挙げたGreen Worldさんの記事参照)
ところで、今のところ調達コストは低いみたいだけれど、インジウムというと
『レアメタル・パニック』でも書かれているように生産が一国(中国)に偏っているレアメタルなので、将来的なコスト増にならないか、というのは少し心配なところではある。
まあ、このパネル程度なら消費量が低いだろうから、大した問題にはならないのかも知れないけれど。
ところでナノソーラーのホームページ、
なぜか日本語サイトがある。
・・・・技術の紹介だけだけれど。
でも、なかなか面白い。これを見ているだけでも何か凄そうで、へーってかんじ。
あまりに凄そうなので、インチキだとこき下ろしていた既存の太陽電池メーカーの社長がいたのだけれど、元記事を失念。
あとは、ナノシスという会社が松下と共同開発で開発して07年中の事業家を目指していたナノテクベースの太陽電池もあったのだけれど、これは最近噂を聞かないなぁ・・・
所詮太陽電池では社会が必要とするエネルギーの大部分をまかなうには力不足とはいえ、節約できる電力はばかにならない。
色々な企業が競争して、良いものを作って欲しいところ。
#どうせなら、株式を一般公開していてくれると、もっと嬉しいのだけれど(笑)
<関連リンク>
太陽電池(wikipedia)色素増感太陽電池ホームページナノソーラーが薄膜太陽電池を初出荷(Greener World)新興企業Nanosolar、超低価格の薄膜太陽電池パネルを商業化(ITmeiaニュース)