死神の精度
伊坂幸太郎7日間掛けて人間の生死の運命を定めるために下界に下りてた、CDショップに入り浸る、雨男の死神の物語。
このひねった設定と、ちょっとズレた死神の会話が、なんとも
伊坂幸太郎作品らしい。
すごく面白い、という本ではないけれど、
伊坂幸太郎らしいちょっとしたユーモアと、格好良さ、人の死を無常に決める冷たさの中にも、どこか暖かさが漂う短編集。

最初の話で、あっさり「見送り」を出して死の運命をまげてしまうので、そのまま甘い判断を続けるほのぼのストーリーなのかと思いきや、さにあらず。無常にもサクサクと「可」の判定をして、人を殺していくところは、無駄な甘さがなくて良いスパイスになっている。
人生は甘くない。死は、人の思いとは関わり無く、誰にでも平等に、でも時に不平等に訪れる。
物語を重ねていくうちに、かつて生死判断にかかわった人物に死神が再会して、彼らのその後の運命を見ていく中に漂う、ちょっとした暖かさ、ラストの清々しさも、この本の素晴らしさ。
最初に書いたとおり、「すごく面白い」という本ではないけれど、何とも味があり、最後のシーンの清々しさだけでも、読んでよかったと思える本。