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ウチのシステムはなぜ使えない 

2008年04月15日 ()
読んだ本。 * 本・雑誌
ウチのシステムはなぜ使えない 岡嶋裕史

あはは。面白い。

本書はSEと同じ土俵で付き合うために、SEが働いている組織や業務手順を理解することを目標としている。

と書いてあるのだけれど、SE業界の内輪ネタが盛りだくさんで、業界の片隅で生きている人間としては、笑わずには読めない。
いやまったく、面白い。

しかし、これだけ笑い話にあふれていると、業界の外の人が読んだら「なんだ、SEってトンでもない連中ばかりなのか」という、根も葉もある誤解を受けそうで怖い。
著者もあとがきで書いているように、大部分の人たちは真面目にやっているのだけれど、真面目=能力ではないし、能力なり労力なりをつぎ込むにしても、つぎ込む方向性が間違っていると、出来上がるものは明後日の方向に向いたシステム。

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学

いや、そもそも何か出来るのならまだ良いのだけれど。。

知り合いの会社では、役員の縁故で発注したシステムが、1年計画のところを、もう6年も開発中。縁故なのでまともに業者を選択したわけでもなく(本書第2章参照)、出来上がってくるものを使わされる現場は、戦線恐々。出来上がってきてないのだけれどね。

工業製品であれば、(特殊なものでない限り)それなりのお金を払って発注すれば、一応ものが出来ることが多いのだけれど、そうは行かないのが、IT業界の怖いところ。

既存のパッケージをカスタマイズするのならともかく、オーダーメイドでシステムを1から作る場合、顧客側は何を望んでいるかをしっかり伝えないと、開発側はそれをしっかり引き出さないと、顧客が望むシステムなんか出来るわけがないのだけれど、実際のところ、顧客が望むものをしっかり引き出すのは難しい。
比較的プロセスが枯れている工学や建築の分野でさえ、顧客の要望を引き出すのは至難の業。自分の望んだように家を建てると、大抵暮らしづらい家が出来てしまうので、専門家のアドバイスを十分に受けないと危険なように、システムも、顧客の望むものを取り入れすぎると、収拾が付かなくなり、「こんなはずじゃなかった」というものが出来てしまう。
そうならないために、利用者の視点と、システムの視点を橋渡しできる、きちんとした専門家が必要なはずなのだけれど、いわゆるSEの大半に、そんなことができるかというと、そうでもなく。。
家具職人、左官職人、現場監督はいても、それを統括して全体としての使いやすくするためのグランドデザインを描ける人って、本当にごく少数。

正直な話、普通に仕事で対面する、いわゆるSEには、そこまでのものを期待するのは難しい。
それでも、なんとか良いものを作ろうとする彼らの力を上手く使うために、過度な期待をせず、かといって、見下すでもなく、ともにシステムを作ろうとする同志として、上手く付き合っていくことはできないものか。

この本は、多少なりとも、その手助けになってくれる・・・のかなぁ?
業界外の人間ではないので、役に立つかどうかの評価は何とも。
ただ、業界の中の人間から見て面白いのは確か。

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[2008.04.15(Tue) 19:09] 社会Trackback(0) | Comments(0)
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