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オーデュボンの祈り 

2007年08月17日 ()
オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎

知り合いの勧めで呼んでみた。ふむ。面白い。
独特の軽妙な語り口と、飄々としたキャラクター達が織り上げていく物語の巧さがうまく組み合わさって、とても読みやすい。
また、軽妙なんだけれど根底にある真っすぐな人生観の様なものが嫌味がない程度に滲んでいて、読んでいて気持ちが良い。

物語は、コンビニ強盗に失敗した男「伊藤」が、おかしな人(だけじゃないけれど)ばかりが住むおかしな島「萩島」に連れられてきたところから始まる。
未来予知をする喋るカカシ、殺人者、ちょっとおかしな反応をする青年、嘘しか言わない画家。
これで殺人事件の物語が成り立ってしまうのだからすごい。

もっとも、殺人といっても殺されたのがカカシのせいか、また伊藤も強盗なんてした癖に悲壮感がなく、明るく読める。ところどころで出てくる婆ちゃんのエピソードがまた良い。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

他の部分も全体的に良いので挙げるところを絞るとすると、

一番良いのは、一見バラバラな個々の登場人物の行動が、終局に向けて綺麗に組み合わさっていく見事さだろうか。
その組み立てのキーになるカカシの優午というキャラが秀逸。言葉を喋るカカシ。しかも未来まで予知する。しかし予知することを喜んでいるのではなく、そこには自分では何も出来ないことに対する悲しみしかない。彼の誕生(?)にまつわる禄次郎の話や、ラストのお雅とのひとコマも素晴らしい。

伊坂幸太郎の作品は、順次読み進めていく予定。

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[2007.08.17(Fri) 09:39] ミステリTrackback(0) | Comments(0)
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