太陽の簒奪者 野尻抱介
突如、太陽の周囲に生成され始めたリングにより、日照を奪われた地球。
氷河期へと転落していく地球環境によって絶滅に追い込まれた人類はリングを破壊すべく、宇宙艦を派遣する。
宇宙艦のクルーとして選ばれた女性科学者と、クルー、そしてリングを生成した謎の存在との物語。
日本のSF作家として、比較的注目度の高い著者による、ハードSF。野尻抱介というと、ロケットガールや、クレギオンという比較的ライトなSFがイメージにあるけれど、この作品はかなりハードな一作。最初の出版から結構年月がたっているけれど、しっかり色あせない良さを見せている。
(ロケットガールは未読なので、題名からライトだと思っている。さほどライトでもない?)

物語の中で提示される数々の謎が、納得のいく流れで「そうだったのか!」と解消されるのが心地良い。
--以下ネタバレあり--
突如発生した謎のリングと、その生成過程。
明かされるリングの機能。そして、その役割と、ビルダー(リングの建設者)の存在。
一向に現れないビルダーと、その動向。
・・・・コミュニケーションを拒否するビルダーと、その正体。
そして、最後に明かされる一つの真実。
テンポ良くリズムを刻んで物語が展開し、内容もしっかりしているので、全く飽きさせない。
ところで、本作の最後に、なぜかコラムがついている。
書いている人は・・・谷川流。
『涼宮ハルヒ』シリーズの著者。なぜ、この人がこんなところにコラムを。。。
コラムの中で、ジェイムズ・P・ホーガンの
『星を継ぐもの』と比較しているけれど、確かに、この作品には、同じ感覚の良さがある。
ハードSFとは言いながら、読みやすさと面白さも併せ持った良作。
Close↑